福岡起業の予備知識

経理業務とは

 

経理は、会社の日々の経済活動を帳簿上に処理し、その取引を記録するため、整理分類するための業務です。この整理分類のために、「簿記」という手法を使って処理、記録して、最終的には決算書を作成します。また、会社の血液にたとえられる資金について、資金繰りを管理するのも経理業務に含まれます。その他にも官公庁(税務署、社会保険事務所)への書類提出等も行わなければなりません。

 


経理業務のはじめの一歩

 

 

はじめに、経理業務の中で一番基本的ですが最も重要なことは、資料整理ということができます。資料整理ができていないと、会社の経理の前提となる数字を拾うことができません。なぜなら、資金の出入りや売上や仕入れが発生した都度、処理記録していかななければならず、会社の資金の入出金に漏れがあったり、売上の計上、仕入があったかなど、後で確認することができません。

このためには、資料整理がかかせません。

また、税務調査の際には、必ず、原始証憑(領収書など)を確認します。その際に税務調査官に整理整頓されていない資料を見せては、「この会社大丈夫か?」といった悪い印象を与えてしまう可能性があります。

したがって、創業当初から、経理の基本となる資料整理、資料管理は身につけていただいた方がよろしいかと思います。

 


資料の整理術

【領収書】

経理業務で重要な資料整理の話を上記でしました。資料整理をはじめるにあたり、まずは領収書の整理からご説明します。

① 事業年度毎に1冊のスクラップブックを準備する。月ごとにインデックスを付ける。

② スクラップブックの中央に糊を塗り、当月分の領収書を下から順に、日付順に少しづつズラシながら貼付する。

ryousyuusyo[スクラップブック作成例]

【売上の請求書控、支払請求書】

売上の請求書控は、パイプ式のキングファイルに綴じこむだけでいいでしょう。得意先別に整理しても、時間がかかるだけであまり使わないので、時系列で構いません。

① 売上請求書控にパンチで穴をあけておく。

② 月毎にパイプ式キングファイルに綴じておく。

※ 支払請求書も売上請求書控と同様にパイプ式のキングファイルに綴じましょう。

【契約書、法律関係書類】

契約書等は、パンチで穴をあけることが難しい書類ですので、クリアポケットを利用してリングファイルに綴じこみましょう。契約書以外に附属書類がある場合は、同じクリアファイルの中に入れておきましょう。

決算業務

会社は、年に1回、経営成績や財務状況を決算書にまとめる作業、いわゆる決算をします。決算を行うには、日々行われている会社の取引内容(売上、仕入、給与支払等)を仕訳して、帳簿付けを行っていることが必要です。

日々、帳簿付けを行い、会社の事業年度の最後に、決算を行います。

決算の準備としては、それぞれの勘定科目ごとに下記のとおり、処理することが必要です。

① 現金の残高確認

帳簿の残高と手元にある現金の残高が一致しているかを確認します。

一致しないときは原因を調べます。また、仮払や仮受として経理処理している場合は、決算前に前倒して調べておきます。

② 預金・借入金の残高確認

預金、借入金の残高と残高証明書の残高が一致していることを確かめます。これには、決算日の銀行預金残高を示す残高証明を銀行から入手します。事前に銀行に申し込めば、郵送で残高証明書がもらえるサービスがありますので、申し込んでおくのもよろしいかと思います。

③ 売掛金・買掛金の残高確認

取引先別に売掛金・買掛金の残高が取引先別売掛金管理表・取引先別買掛金管理表の残高と一致しているか確認します。

一致していない場合には、請求、入金の記入漏れがないか調べます。値引きの計上忘れ等で一致しないことが多々あります。

その他、固定資産や手形を使っていたら、その残高確認が必要になります。

④実地棚卸

決算日には、会社にある商品を実際に数えてどのような商品が何個あるかを数えます。一つ一つ数えなくていけないので大変な作業ですが、税務署の税務調査でも厳しく見られるところなのでしっかりと対応しておく必要があります。

他にも減価償却費の計算、仕掛品の確認等が決算準備作業としてあります。