許認可の必要な業種
会社を設立し、事業を進めていくにあたり、建設業、不動産業、酒類販売業、中古物品販売業などの場合には、法律により行政機関の許可、認可が必要な業種があります。このように行政機関から許可を必要とする場合、
会社の定款の事業目的に許認可を申請する業種の記載がないと、許認可の申請をする際に、定款に事業目的の追加変更を求められることがあります。
設立後に許認可の申請が必要になる場合、事業目的をどのように記載する必要があるのかを確認してください。
また、許認可取得のために一定金額以上の資本金が必要であったり、その他様々な要件を整えておかなければならないこともあるので、事前に申請窓口となる官公庁などで確認しておく必要があります。
さらに、許認可の時期について、「許可」と「届出」で時期が異なります。許可については、事業を開始する前に申請し、承認を得る必要があります。一方、届出については、事業開始後に提出する必要があります。
古物商の許可
古物とは一度使用された物品や、新品でも使用のために取り引きされた物品、及びこれらのものに手入れをした物品を「古物」といいます。この古物の売買、交換する営業(古物営業)には、盗品等の混入のおそれがあるため、古物営業法により都道府県公安委員会の許可を得なければなりません。個人で使用する目的で購入した物を、中古CD買取業者で売買する事については古物営業に当たりません。
ところが中古CDを複数枚買った場合、CDに録音された音楽を楽しむために購入する物ですので、同じCDを複数枚購入することに合理的な理由がないため、これらを売却した場合、営利目的と解されてもやむをえません。
つまり、古物営業法の許可を受けなければ無許可営業とみられるかもしれません。皆様が、インターネット上でオークションやフリーマーケットを営業なさる際は留意が必要です。
宅建業の許可
宅建業とは、宅地、建物などを売買または交換することを事業とすることです。この宅建業を事業とする場合には、宅地建物取引業の免許が必要となります。
なお、事業所を設置する県が1ヶ所なのか、2ヶ所以上なのかで免許が異なります。具体的には、1つの都道府県内でのみ事業所を設置する場合、都道府県知事免許。2つ以上の都道府県で事業を設置する場合、国土交通大臣免許になります。
また、宅建業は個人でも法人でも免許を取得することはできますが、法人の場合は事業目的に不動産の売買、賃貸及びその仲介等の記載が必要となります。
建業の免許を取得するためには、満たしておかなければならない条件があります。
その条件はとても細かく、初めて取得される方が全ての条件を把握し確認することは、非常に困難で時間もかかってしまいます。具体的な条件の事例としては下記のものがあります。
①独立した事務所を有していること
賃貸の場合は事務所として使用することを許可した契約書等が必要となります。
②常勤の専任取引主任者がいること
各事務所には宅建業に従事する者5人につき1人以上の常勤の宅地建物取引主任者を設置する必要があります。
③役員等、専任取引主任者が欠格要件に該当しないこと など
留意点
上記の許認可条件に『独立した事務所』があります。
自分で申請する場合これはかなり大事なポイントで、申請窓口でもしつこく確認されます。
ことに、住宅の一部やフロアーの一部を事務所とする場合には“独立性”をしっかり主張できないと受理は難しいかも
知れません。
そのためには、間取図をできるだけ詳細に描き、事務所以外の部分と明確に区切られている、事務所としてのみ
使用できる状態にあるということを示す必要があります。
そのために必要となるのが写真です。
・建物の全景外部
建物の全景写真として余計なものを入れてはいけません。
必要なもののみ、はっきりと入れるようにしましょう。
商号は登記簿通りに表示しましょう。
・建物の入口、事務所の直接入口
会社の商号がはっきりと表示できるていることに注意しましょう。
間取図と対応して説明できるようにしましょう。
・執務室の内部写真
事務所内に設置している机、椅子、電話機などを写す必要があります。
事務所としてこれらを使用できる状態としてあるかが重要です。
間取図とあわせてどの角度から撮ったものか、写っているもの自体、配置について
間取図と対応して説明できるようにしておいてください。
その他、決算書についても聞かれるかもしれませんのでしっかり準備しましょう。
建設業の許可
元請、下請その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事を除いて、建設業許可を受けなければらないとされています。
建設業の許可をとって事業を営む場合は、毎年の決算日終了後から4ヵ月以内に事業年度の変更届を提出する必要があります。
事業年度終了届とは、1事業年度中に請け負った工事の名称や請負代金の額、注文者、工事期間、貸借対照表・損益計算書及び事業税の納税証明書の添付が必要です。
また、株式会社の場合には営業報告書の添付も必要となります。
5年後の許可更新の際に事業年度の「変更届出書」が毎年提出されていない場合、許可の更新手続きを行うことができない場合もありますので、注意が必要です。