起業申請が短縮化へ

「起業申請 ネットで完結」という記事が、2016年10月24日に日経新聞の夕刊に掲載されました。去年スタートした「法人番号」制度を活用することで、起業申請がこれまでよりスムーズになる模様。今回はその詳細について調べてみました。

起業 申請

「起業申請 ネットで完結」の記事の内容とは?

2016年10月24日の夕刊で日経新聞が報じた内容の骨子は、

「政府が、『法人番号』を活用し、会社設立の申請手続きをインターネット上で完結させるシステムの開発に乗り出す。総務省や法務省などが連携し、2019年にも実現を目指す。現状では、法務局で法人登記をした後、税務署やハローワークには別途出向いて必要書類を提出しなければならず、一連の手続き完了まで1週間~10日ほど要している。しかし、このサービスが実現されれば、法務局で登記申請をした登記事項が『法人番号』を介して、税務署やハローワークにも共有されるため、改めて書類を提出する必要がなくなる。手続き完了までの所要日数も3日程度に半減される。」

というでした。

具体的な詳細は検討中

法務省と総務省によると、

「現時点では2020年(平成32年)のサービス開始を目標としております。法人番号を活用し、『登記事項証明書の添付を省略する』ことも視野に、法務省、総務省、厚生労働省で、情報連携を図るためのシステム的な面の課題や、制度的な面の調整や情報収集をしている段階です」

ということです。

また下記で改めてご紹介しますが、現状では、法務局で法人登記をした後は、上述の「税務署」や「ハローワーク」の他にも、「都道府県の県税事務所」や「市区町村」、「年金事務所」にも出向く必要があります。さらに1人でも従業員を雇った場合には「労働基準監督署」などでも必要書類を提出しなくてはなりません。

このうち「どこまでの手間が、今回のサービス開始により簡略化されるのか」についても確認したところ、県税事務所や市区町村への手続きについては、従来通り、個別に必要書類を提出することになる可能性もあるようです。

 

今さら聞けない?「法人番号」

法人番号とは

さて「起業申請 ネットで完結」のニュースについて概要をご紹介しましたが、ここで改めて「法人番号」とは何ぞや?ということについてご紹介します。

2015年10月頃に「マイナンバー」制度の通知が始まっておりましたが、それと同時に、企業や地方公共団体などに13桁の番号を割り振って管理する「法人番号」もスタートしました。「法人番号」とは、いわば「企業版マイナンバー」という訳です。

税務署などへの提出書類に、この法人番号を記入する欄が設けられたため、税務関係の仕事に携わる人にとっては既にお馴染みの制度ですが、一般的には、知名度は今ひとつではないでしょうか?

そもそも法人番号のメリットとは?

自分が勤めている会社や経営している会社にも、この法人番号が既に割り振られ、国税庁の「法人番号公表サイト( http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/ )」では、誰でも簡単にその法人番号を検索、確認することができます。

個人向けの「マイナンバー」制度は、情報漏洩などのリスクを減らすために、活用範囲に制限がありますが、「法人番号」の方は利活用に制限がないため、「どんな風に使うかは、あなた次第」という面があります。

この制度の導入メリットとして、「法人番号」の概要を説明する国税庁のサイトには、「行政の効率化、企業の事務負担軽減、新たな価値の創出」などが挙げられています。

しかし今回報じられた「起業申請 ネットで完結」のニュースのように、法人番号によって、起業の手続きが簡略化されるのであれば、メリットの1つになりえるでしょう。

 

「起業に必要な手続き」をおさらいしてみる

では改めて、会社設立の際に必要な、主な手続きをざっとおさらいしてみます、

①「会社名(商号)の決定」→「印鑑の発注」
②「公証人役場での定款認証」(福岡の場合、福岡公証役場博多公証役場など)
③「銀行での資本金の払込」
④「法務局への登記申請」

⑤「税務署」で書類提出
(「法人設立届出書」「青色申告の承認申請書」「給与支払事務所等の開設届出書」「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」など、各種書類の記入と、その添付書類として「定款の写し」や「登記事項証明書(または「登記簿謄本」)」などが必要)

⑥「都道府県税事務所」で書類提出
福岡県税事務所の場合は「法人設立(設置)届」。「定款の写し」と「登記簿謄本」を添付。)

⑦「市区町村役場」で書類提出
(福岡市の場合は、「法人市民税に係る法人等の設立申告書・異動の届出書」)

⑧「年金事務所」で書類提出
(「健康保険・厚生年金保険新規適用届」と「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届さらに必要に応じて「健康保険被扶養者(異動)届」も)の提出が必要。)

この他、自分が社長となって1人で起業する場合には不要ですが、1人でも従業員を雇う場合には、次のような書類を提出しなければなりません。

⑨「労働基準監督署」で書類提出
(「労働保険 保険関係成立届」と「労働保険 概算保険料申告書」)

⑩「ハローワーク」で書類提出
(「雇用保険 適用事業所設置届」と「雇用保険 被保険者資格取得届」)

詳細は、会社設立時に必要な書類を参照

 

まとめ

今回報じられたサービスが実現されれば、上記必要書類の提出手続きのうち、⑤⑥⑧⑨⑩などの、いくつかの手間が省かれることになるかもしれません。数年後に独立開業を目指す方にとっては、朗報と言えそうです。